2011年3月12日土曜日

気仙沼で大規模火災、陸前高田市街壊滅的被害・読売オンライン



【気仙沼で大規模火災、陸前高田市街壊滅的被害・読売オンライン】

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110312-OYT1T00027.htm?from=main6

(2011年3月12日00時35分 読売新聞)

 しぶきをあげて海面を走る大波、茶色の濁流に次々とのみこまれる車や住宅、真っ赤な炎や黒煙を上げる石油コンビナート――。

 11日午後、東北と関東、そして首都圏を襲った東日本巨大地震は、国内観測史上最大となるマグニチュード8・8を記録し、大津波が町を跡形もなく消し去った。特に宮城、岩手の両県では、沿岸の家々ががれきの山と化し、夜になって数百人の遺体が見つかった。余震は続いており、避難所に逃れた人たちは恐怖に声を震わせた。

 津波は前例を見ないほど広い範囲で太平洋沿岸の町を襲い、大きな被害を与えた。

 青森県では地震発生直後、八戸市で2・7メートルの津波が押し寄せた。八戸港に停泊中の大型漁船は陸に押し上げられ、車やプレハブ小屋ものみ込まれた。県警本部などによると、同市にある紙製品製造業のプレハブ事務所も流され、中にいた従業員約20人のうち6人が病院に搬送され、1人が足を骨折した。

 海岸に近い八戸市立江陽小学校には住民が次々と駆け込んだが、停電のため電気は使えないまま。避難してきた住民らは、ろうそくをともし、いつでも逃げられるよう靴をはいたまま不安げに過ごしていた。

 また、岩手県では陸前高田、釜石の両市の中心街や山田町などが壊滅的な被害を受けているとみられる。地震発生約1時間後、県警が上空から観測したところ、陸前高田市は市街地の約半分が波にのまれ、間もなく市街地が確認できなくなったという。山田町では午後3時半過ぎに役場まで水が押し寄せ、市街地全域が水没したとの情報もある。

 陸前高田市に隣接する大船渡市の綾里地区でも中学生23人を含む計48人が行方不明になっている。

 宮城県では三陸沿岸の町が巨大津波に相次いで襲われた。県警によると、仙台市若林区荒浜地区で200~300人の遺体が発見された。このほか、気仙沼沿岸には名取川沿いに津波が駆け上ったとみられ、午後4時に6メートルの津波が到来。県は「気仙沼市内は広範囲にわたって水没しているようだ」とし、被害状況はつかみきれていない。

 宮城県警の南三陸警察署は、庁舎3階まで海水が押し寄せた。また、石巻市大街道地区では、住宅の軒下にまで津波が達し、ずぶぬれになった男性が「電話を貸してくれ」と叫んでいた。「車に人が閉じこめられている。手を貸して」と声をからした。赤ちゃんを抱いた若い女性は「幼稚園に通う子供たちと連絡が取れない」と泣き出しそうな声で話した。

 石巻市北上では住宅10棟が津波に流され、行方不明者が出ている模様。塩釜市によると、同市沖の浦戸野々島で10棟が流された。島民約300人は中学校に避難しているという。

 福島県北部の南相馬市でも広い範囲で津波に襲われたとみられ、県相馬地方広域消防本部の担当者は「多数の死者が出ているようだ」と語った。現場近くは津波を警戒し、通行止めになっている。県によると、楢葉町では冠水のため40~50棟の家屋が流されたという。

 岩手県によると、花巻市の葛丸ダムの下流3キロ付近で土砂崩れが発生。その先の民家5棟と老人介護施設が孤立した。12日早朝、土砂の撤去作業を始める予定。


 地震後には、流出した重油に引火するなどして、各地で大火災が発生した。

 千葉県市原市では地震直後から、コスモ石油千葉製油所の石油コンビナートが炎上。液化石油ガス(LPG)のタンク付近が火元とみられ、その後も別のタンクで3度爆発があり、黒煙とともに数十メートルの激しい炎が上がった。

 この火災で30歳代の男性が全身やけどの重傷を負った。製油所に隣接するチッソ石油化学五井製造所の石油プラントも延焼した。

 宮城県警によると、仙台市内にあるLPG施設でも、火災が発生。気仙沼市ではタンクから流出した重油に引火して大規模な火災が発生し、県は「甚大な被害が出ている」と発表した。市街地で大きな被害が出ているとの情報もある。





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