2011年3月12日土曜日

<地震>阪神の100倍規模 余震1カ月要警戒・毎日新聞

【<地震>阪神の100倍規模 余震1カ月要警戒】

毎日新聞 3月11日(金)20時21分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110311-00000140-mai-soci

大津波で流される多くの家屋=宮城県名取市で2011年3月11日午後4時8分、本社へりから手塚耕一郎撮影

 東北沖大地震は、記録が残る中で国内最大の規模(マグニチュード=M)8.8を記録した。専門家は「死者1000人を出した貞観(じょうがん)地震(869年)の再来の可能性がある」と指摘する。

【写真で見る】東北でM8.8の巨大地震

 日本がかつて経験したことのないM8.8という規模は、どれほどのインパクトを持っているのだろうか。

 地球の表面を覆う岩板(プレート)の境界では、「プレート境界型」と呼ばれる巨大地震が起きやすいが、専門家によると今回の地震もこの仕組みで発生した可能性が高い。大きな被害をもたらした東海地震、東南海地震、南海地震などはいずれも「プレート境界型」だ。古村孝志・東京大地震研究所教授は「今回の地震もプレート境界型の可能性が高い。日本で起きる最大級の地震が起きた」と話す。

 これだけの規模になったのは、プレートのずれの大きさによる。推定では、南北二百数十キロ、東西百数十キロにわたってプレートが十数メートル動いたとみられる。

 古村教授は、「2005年8月に発生した三陸沖地震(M7.2)のあと、震源域にずれ残った部分があり、そこが地震の震源になった可能性がある」と指摘する。

 また震源が、宮城県沖で過去に繰り返し起きてきた「宮城県沖地震」の想定震源域にあることから「(今後30年の発生確率が99%と予想されていた)同地震が1978年以来約30年ぶりに起きた」との見方だ。ただ、想定宮城県沖地震の規模は「M7.5~8程度」で、今回のM8.8はその約90倍というとてつもないエネルギーだ。古村教授は「想定の震源域に加え、福島~茨城県沖まで連動して破壊されたため、これほど大きい地震になったのでは」とみる。

 このように、広域で連動して起きた巨大地震には、チリ地震(1960年)、スマトラ沖地震(2004年)がある。

 さらに大規模な破壊が起きた可能性を指摘するのは、岩田知孝・京都大防災研究所教授だ。「岩手県から茨城県までの約500キロにわたって破壊が起きた可能性がある。今回の地震の規模は阪神大震災(M7.3)の100倍以上。もともとの地震の規模が大きいので、余震も大きいのだろう」と話す。

 今回の地震との類似性が指摘される貞観地震は、869(貞観11)年7月に発生した。平安時代の歴史書「日本三代実録」には、津波で1000人の水死者が出たとの記録がある。津波の痕跡は現在より約1キロ内陸にあったとみられる当時の海岸線から、さらに3キロ山側に到達。産業技術総合研究所の最近の解析によると、貞観地震の震源域は宮城県沖~福島県南部沖の長さ200キロ、幅100キロ、地震の規模はマグニチュード(M)8.4と推定される。

 政府の地震調査委員会の阿部勝征委員長「今回の地震はすごい地震で言葉も出ない。今回の地震は、この貞観地震の再来かもしれない。過去1000年に1回に起きるかという巨大地震だ。最近は、東海地震や東南海地震、南海地震に注目が集まっていたが、東北地方の地震の見直しをしているところだった。M8を超える地震は、これまで海外の話と思われていたが、それが日本でも起きたということだ」と話す。

 さらに古村教授、「この地震をきっかけに大きな内陸地震が起きる可能性がある」と指摘する。過去には、1944年に東南海地震(M7.9)、1946年に南海地震(M8.0)が続けて起きたが、その間にあたる1945年に内陸で三河地震(M6.8)が起きている。

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